作者の田尻賢誉氏には、一度とある高校のグラウンドでお会いしたことがございます。
第一印象はずいぶんと思ったことをはっきり言う方だなと思いましたが、この作品も随分とハッキリとお書きになっております。
9割とは思いませんが、野球の特待生制度を活用して高校進学をお考えの方は読んでおいて損はないと思います。
表紙を開くとまず書いてあるのが、あなたのモンスター度チェック欄があります。
たくさんの項目があるんですが、
・子供のチームの監督にお歳暮・お中元を贈ったことがありますか?
(YES・NO)
・子供の寮の部屋を掃除しに行ったことがありますか?
(YES・NO)
・選手の飲酒、喫煙はばれなければいいと思いますか?
(YES・NO)
ほかにもたくさんの選択肢がありまして、YESの数でモンスターペアレンツ度を判定するもので、数が多ければ多いほど「高校野球モンスターペアレンツ」のモンスター度が上位ランクとなるわけです。
項目に出てくるということはお歳暮を贈ったり、寮の部屋をお掃除しにいく親御さんが実際にいらっしゃるのだなと「ある意味」感心してしまいました。
本の最初がこの高校野球モンスターペアレンツ度のチェックページとなり、そのあとにそれぞれの強豪チームの監督たちが、自分のチームに選手をお誘いに行くときに、選手のプレー以外のどんなことに注意して声をかけるのか?がそれぞれの監督の目線で記載されております。
ここがポイント
本の内容は「え?」「そんなことがなんで関係あるの?」「やりすぎじゃない?」「まもなく平成も変わるのにまだそんなことしているの?」ということも中にはあります。
しかし残念ながら、そこの学校で野球をしたければ「その考えがいいか悪いか」という言うことではなく、実際に親御さんの言動や恰好などをチェックしているようですから、いくら選手が野球の能力にたけていても改善をせざるを得ないのです。
高校野球にお子さんの進路を委ねるのなら避けては通れないルールなのかも知れません。
もっとも、「禁煙の球場スタンド内でタバコを吸いながら応援しているお父さん」のモラルや「学校のグラウンドに毎日来て、指導方針について不平をいうお母さん」を目の当たりにしたら、息子さんをぜひともうちの高校にとは、なかなか監督さんでも言わないとは思いました。
読み終えて感じたこと
前回ご紹介しました書籍
「勝ちすぎた監督」と同様、高校野球の裏事情に触れている一冊です。「甲子園だけが高校野球ではない」の書籍とは真逆の内容、「高校野球すなわち「甲子園」が日本国内で、一大イベント」であるがゆえの現場の現状が書かれています。
高校野球が「筋書きのないドラマ」と呼ばれたのはいつの時代の話だったかなと甲子園の選手権大会が始まる前に読んでしまい、現実に戻された気がしました。