イレブンで北の球児たちを紹介するのも今回で4回目となります。
気が付けば2016年秋でVOL21となるんですね、北海道の高校野球にはおなじみの冊子となりました。
個人で作られている冊子なので毎号に筆者の長壁さんのこだわりが色濃く感じられます。
前回の2016年夏は北海高校硬式野球部さんの夏の選手権準優勝の偉業と、創部3年目での甲子園出場を達成したクラーク高校の軌跡を大きく取り上げておりました。
春は創部8年目で全道制覇を成し遂げた札幌大谷高校野球部の活躍を大きく取り上げ、2015年総集編では野球に携わってきた高校生たちを取り上げてきたと思います。
2016年秋号での作者長壁さんの注目ポイント
札幌市の市立高校として初の試み、開成中等教育学校~札幌開成高校を一本化し、中高6年間一貫教育としました札幌開成高校野球部さんの特集記事です。
札幌の市立高校として甲子園大会にも出場している、野球部に力を入れていた札幌市東区の公立高校でもありますが、近年は6年間の中高一貫教育へシフト、教育カリキュラムの変更によって開成高校で野球をしたいと希望する選手が入学しにくい状況となりつつあります。
中高一貫とする旨がプレスリリースされた3年前です。
現在の開成高校野球部の二年生部員が1人、男子1年生部員が8人の計9名と、甲子園出場の記録もある名門高校にとって厳しい状況です。
2018年度より高校入試での開成高校の生徒募集も停止する予定なので、来年の新入生が「開成高校野球部」として最後の世代となります。
それ以後は中高一貫進学校として、野球部の存続にとっては厳しい状況が続くかと思われますが、現役選手9人はそれを感じさせない雰囲気で日々練習に取り組んでいる姿などを事細かに取材されております。
高校野球の雑誌というと、野球の強豪校やプロ野球選手になりそうな選手の特集などに偏りがちですが、筆者の長壁さんが札幌清田高校と公立高校の出身ということもあり、甲子園に出場する強豪高校の成績を追いかけるだけではなく、広く北海道の高校野球を、高校野球に携わる人を追いかけている姿勢が記事から感じられます。
高校野球の大会をひと大会行うためにどのくらいの人数の高校生や大人たちが運営を円滑に行うために携わっているのかなど、試合する野球選手も支える役割の人たちもまた高校球児であることをピックアップしてくれているところが、いかにも地元に根差した一冊ではないでしょうか?
2年連続で秋の北海道大会を制した札幌第一高校野球部さんの特集が組まれるかな?と期待していましたが、あえて偏らない姿勢も長壁さんらしさかなとうかがえました。