お問い合わせのコーナーからグラブの配色に関して質問がありました。
一昨年から、投手はもちろん野手のグラブの配色についても変更があり、今後同じような質問を頂くことが考えられるので、
2015年:公認野球規則(2015 Official Baseball Rules)
編纂:日本プロフェッショナル野球組織・全日本野球協会
協賛:朝日新聞社・毎日新聞社
販売元:ベースボールマガジン社
価格:1,080円税込
(画像左より)
※イレブンにてこの本の注文を承ります
より一部抜粋して説明いたします。
野球規則:1、15/投手用を含む野手のグラブの規格および構造は、1、14規定(グラブの重さ・大きさ・ウェッブの形状について)のとおりであるが、別に次の制限がある。
(a)投手用のグラブは縫い目、しめひも、ウェッブを含む全体が1色であることが必要で、しかもその色は、白色、灰色以外のものでなければならない。
(また、)守備位置に関係なく、野手はPANTONEⓇの色基準14番よりうすい色のグラブを使用することはできない。【注】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。
(b)投手は、そのグラブの色と異なった色のものを、グラブにつけることはできない。
(c)球審は、自らの判断または他の審判員の助言があれば、あるいは相手チームの監督からの異議に球審が同意すれば、本条(a)または(b)項に違反しているグラブを取り替えさせる。
とあります。
投手のグラブに関しては今までどおり「グラブ本体とその他のパーツすべてが同じ色」でかつ白系(ホワイト・グレー・シルバー)の色を使用してはいけないと記載されていますが、野手の部分の「PANTONEⓇの色基準14番」ってなに?という話になる。
ありがたいことに2015年野球規則の裏表紙が「PANTONEⓇの色基準14番」(画像右)となっているので気になる方は野球ルールの習得も含め購入されることをオススメ致します。
さて、この14番の色(グレー色)よりも薄いものがだめなら「濃いグレー」はよいのでは?
と考えるのだが、グレー色は長期の使用によって色抜けし白っぽくなっていく可能性があります。
ブラックに限りなく近いグレーでなければ野球規則の違反に抵触する可能性があるので「ホワイト」はもちろん
グラブの配色に「グレー」色を選択されることは避けた方が賢明だと思われます。
(ただし、使用するグラブに規制を設けていないリーグや連盟は除く)
補足)今回の野手の使用するグラブの規制で運動具屋の立場で気になったのは
グレーだけではなく、「ピンクやイエロー」などは購入した当時はその色を保っていても強い日差しやグラブのお手入れの仕方など、長期の使用で色抜けして白っぽくなる可能性がある、その場合どうなるのか?
長い時間を経たグラブを試合当日目にする審判や対戦相手はそのグラブの経過を知らないだろうから、野球規則:1、15(c)が適用される可能性が出てくる。
野球規則:1、15(a)の【注】にある所属する連盟や協会の規定に従うというのもあいまいな表現である。
たとえば、北海道の中体連の軟式野球大会では高野連の規則に準じるという一方で軟式野球連盟主催の大会にも出場できるし、リトルシニアリーグも「ルールは高校野球と同じだが7回まで・・・」という文言があります。
2014年に延長戦で50イニングまで行われたことで一躍注目されたもう一つの高校野球「全国高校軟式野球選手権大会」すなわち高校の軟式野球部は高野連に加盟している。
社会人軟式野球チームの多くはJSBB(全日本軟式野球連盟)に加盟していると思われるが、実際に日本全国で年間におこなわれる軟式野球大会すべてが上記に示すとおりJSBB規則に沿っているわけではない。
同じチームが試合をするのに主催する連盟や大会によって用具使用規則がそれぞれ違うというのが現状です。
さらに筆者は過去に、同じ大会中に1試合目の球審は使用OKだったのに、2試合目の球審は使用NGを出した大会を目にしております。
アマチュア野球規則では【注】所属する連盟や協会の規定に従うと記載されている一方で、
9,01(c):審判員は本規則に明確に記載されていない事項に関しては、自己の裁量に基づいて、裁定を下す権利が与えられている。
とも記載されております。
結論
いろんな「野球規則」や「球審の判断」があります、2016年以降にオリジナルオーダーでグラブを購入される方はせっかく作ったグラブが当日の大事な試合で使用できないなんてことのないように、「ホワイト・グレー・ピンク」などはグラブオーダー時に選択されないことをオススメ致します。
※イレブンにて「公認野球規則」の注文を承ります