第二回目:振り逃げについて「(恥ずかしくて)今さら聞けない野球のルール」
意外と「ちゃんと知らない選手」が多いと感じています・・・
・振り逃げと呼ばれるルール、ややこしいので個人的にはなくしてほしいと思うルールです。というのも、振り逃げが成立しないケースで1塁へと走り出す走者、それにつられて1塁へ送球しようとするキャッチャー。
大体は、打者が走り出そうとした時に「バッターアウト」を連呼して振り逃げないよ、と気がついてもらうようにコールしますが
たまにコールが遅れて打者が走り出し、キャッチャーがあわてて1塁に送球、その送球が暴投になって3塁ランナーがホームイン、しかもそれがその試合の決勝点なんてケースを目の当たりにしたこともありました。
これが公式戦なら目も当てられない結末です。ですので審判はそういう紛らわしいプレーが生じないように気をつけます。ハッキリコールします、ジェスチャーします。
中学生、高校生・・・いえいえ、プロ野球の試合を見ていても稀に、「一塁にランナーいるじゃん」ってケースで走りだしちゃうプロ野球選手がいるのだから「振り逃げ」ってややこしいなと思ってしまうわけです。
というわけで、皆さんが知っていそうで知らないのでは?
「振り逃げ」について
まず、公認野球規則には「振り逃げ」という名称のものが存在しません。
マジですか!?と思っちゃうのですが、「振り逃げ」というお名前は100年以上の日本野球の歴史のなかでいつの間にか名付けられたニックネームだったんです。とりあえず正式な名前はないのですが、振り逃げにあたるルールは以下のとおりです。
6,09 次の場合、打者は走者となる。(b)より
(1)走者が1塁にいないとき、(2)走者が1塁にいても2アウトのとき、
捕手が第3ストライクと宣言された投球を捕らえなかった場合。
【原注】第3ストライクと宣告されただけで、まだアウトになっていない打者が、気がつかずに、1塁に向かおうとしなかった場合、その打者は〝ホームプレートを囲む土の部分〟を出たらただちにアウトが宣告される。
とあります。
なぜ、(1)の1塁にランナーがいないときなのか?
0アウトや1アウトで1塁にランナーがいて振り逃げが成立すると、1塁へ走り出そうとする打者に押し出される形で1塁ランナーは2塁へ進まなければなりません。
1,2塁であれば2塁ランナーは3塁へ進まなければなりません。
満塁なら3塁ランナーは本塁へ進塁しなければなりません。
もうお分かりと思いますが、守る側のキャッチャ―が3ストライク目のボールを
わざと落としても「振り逃げ」が成立するなら、満塁のケースでは簡単にアウトを2つ捕ることができます(素早くボールをひろってホームベースを踏んでから1塁に送球する)
「1塁にランナーがいる」という状態で振り逃げがあると「フォースプレー」によるダブルプレーがつねにおまけでついてくることになるわけです。
3ストライク目のボールをキャッチャーがきちんと捕れないというのは
守備側のミスなのに、そのミスが攻撃側に不利になるというのはルールとしてちょっと理不尽ですよね?
だから、0アウト、1アウトの時に1塁にランナーがいる時には振り逃げが適用されないんです。
(2)走者が1塁にいても2アウトの時は振り逃げが成立するのはなぜか?
野球の試合は3アウトで攻守を交代するものです。これは小学生だろうがプロ野球だろうが共通のルールです。(先の未来では変わってるかも知れませんが)
2アウトということはあと1アウトを守備側が取れば攻守交代となるわけですから、先のような「わざと3ストライク目のボールを落とそうが」取れるアウトは1つ以上とれない、すなわち、2アウトなのでずるいことが出来ない。
なので、2アウトの時はいかなるランナーがいる状況でも「振り逃げ」が成立するわけです。
ちなみに、このややこしい「振り逃げ」ルールがいつできたか?
野球が誕生した時からのルールらしく、野球創成期はキャッチャーがしっかりと捕球していても、とにかく3ストライクとられたら打者は1塁に走らなければならないルールだったと、ウィキペディアに出典されてました。
そして、野球がメジャーなスポーツへ発展していき100年を経て、今日の「効率的な振り逃げ」になったということです(ウィキペディア「振り逃げ」より)
この先、振り逃げのルールがさらに変化するかもしれませんが、とりあえずおさらいです。
振り逃げルールとは?
まず、0アウト、1アウトの時は1塁にランナーがいないことが条件
2アウトの時はランナーの有無は関係なく振り逃げは発生します。
(この条件でないと攻撃側に不利が生じるので、0・1アウトと2アウトで発生条件が違います)
次に
1:3ストライク目のボールをキャッチャーが落としたり、
2:3ストライク目のボールをノーバウンドでキャッチャーが捕球していない場合
注)振り逃げという名前のルールですが、3ストライク目のボールが1か2の時に打者がバットを振っていなくても「振り逃げ」は発生します。
この振り逃げルールを守備側が忘れてしまうとまれにすごい悲劇を生み出します。ウィキペディア「振り逃げ」の出典にも記載されていますが、
YouTubeで「振り逃げ3ラン」と検索するといまだにその悲劇が出てきます。
現在ジャイアンツで活躍中、菅野智之投手が高校生の時に起きたプレーです。
横浜高校という野球エリートの集団でも、緊張でうっかり忘れてしまうルールです。
まとめ)
振り逃げに限ったことではないですが、試合中に「アウトカウントとランナーがどこにいるのか」は、しつこいくらい確認してもいいと思います。
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