用具の値上がり幅、消費税分の2%だけだと思っていませんか?
第三回目:グラブはいつ購入するとよいか?(消費税10%後の用具価格値上がり予想について)
便乗値上げというものをご存知でしょうか?
2019年10月以降、野球のグラブやミットの値上げが予想されます、
特に和牛皮革のミット・グラブは大幅に値段を上げてくることが予想されます。グラブ・ミットの購入ご予定の方は消費税増税前のご購入をおススメいたします。
皆さまご存知のとおり、消費税率が2019年10月に8%から10%へ引き上げられる予定となっております。それに伴い野球用具の販売価格も値上げされることが予想されますが、野球用具値上げの幅は消費税分の2%ではなく、2%以上の値上げが予想されますご注意ください。
・グラブやミットなどの革製品、大幅な値上げが予想される理由について
消費税率10%へ、大きな政変でもなければ2019年10月の消費税増税とともに野球用具も値上げをせざるえない状況ですが、果たして値上げ幅は消費税分の2%のみとお考えでしょうか?これは残念ながら違望み薄と考えます。
なぜかと言いますと、消費税2%の税率UPは
野球用具そのものの原材料費(皮革や繊維、包装する袋や箱)はもちろん、加工するための機械を動かすランニングコストそれを運搬する運送料、などいろいろなものに2%ずつの上乗せがされます。
また、消費税率UPの際に便乗値上げをする例が以下のとおりです。
自動販売機の缶ジュースが130円とします。本体価格120円で消費税(8%)が10円で130円となりますが、
120円の缶ジュースが10月から消費税が10%になると(12円が税金分)132円となります。
ところが、1円玉の使用が可能な自動販売機はほとんどないですよね?(少なくとも私は見たことがありません)ということで、おそらく10月以降、120円の缶ジュースは132円の1円単位を切り上げし、本体価格8円の値上げ、1本140円となると予想されます。
消費税率が2%上がることが結果として2%以上の値上がりを生むわけです。
さらに年々高騰する牛皮革のお値段ですが、特に和牛皮革のお値段はかなりの値上がりが予想されます。値上げの原因となる理由は大きく上げて2つ
一つは、和牛皮革グラブ生産メーカーの急増による需要過多です。
2000年当初は和牛皮革を用いてミットを製造するグラブメーカーはほぼ「ハタケヤマ」さんのみといっていいほど少なかったと思われます。
欧州のステアとくらべて和牛の革質は「硬い」感じ、当時はグラブに使用する皮革には不適格だと多くのメーカーは感じていた。
だからこそハタケヤマ以外のメーカーは見向きもしなかった。
ところが近年はミズノをはじめゼット、アシックスと大手野球用具メーカーも和牛皮革製のグラブ・ミットを手掛け始めました。
理由は和牛は「硬くて使えない」と思っていたものが「張りがあって耐久性がある革」に変わったから、
ハタケヤマしか知らなかった「和牛の良さ」にみんなが気がついてしまったわけです。
「いいものはマネをされる」
当たり前のことですね
ということで、和牛皮革の需要が増えたていくこととなります。
和牛皮革でミットグラブを作りたい!というメーカーが増えました。
これが和牛皮革高騰の可能性その1です。
たくさん売れるのだからそれじゃあ、和牛の生産量を増やせばいいではないか!と思うわけですが、和牛の生産量及び、生産者数は年々減っております(ここ数年は横ばい)和牛を生産する畜産農家は減少の一途を辿っております。
減少の要因は「採算があわないこと」と「後継者不足」のため牛農家さんが廃業、10年前とくらべ3割減です。
2007年のサブプライムローン問題によるリーマンブラザーズの倒産など、世界的な金融不安が原因となり、日本国でも円安となりました。
円安の影響で海外から輸入せざるを得ない、エネルギー資源が軒並み値上がり、石油の高騰は牧場に大打撃をもたらしました。
冬場は牛舎の暖房費でたくさんの灯油を使用しますが、この灯油代高騰が直撃、
さらに牧場オーナーの高齢化が進み、牧場の後継者不足問題などがありました。
そして、東日本大震災がおこりました。
岩手県や宮城県など酪農がさかんな地域での大震災、被害も甚大、資金繰りが原因で廃業する生産者、何とか耐え忍んだもののいっこうに値下がらないランニングコストで「続けても割に合わない」という現実が経営者を直撃、
様々な原因によりここ10年で牛を扱う農家さんは廃業を決意したそうです。
買い手が増えても売り手がいない、すなわち供給不足により和牛の値段が高騰、
牛の品種にもよりますが10年前と比べて牛肉の値段は2倍以上の値上がりを見せています。
肉の値段が2倍だからそれがそのまま、皮革にも当てはまる訳ではないですが、各メーカーさんの話しを聞くと、原材料の高騰に合わせて、グラブや金属バットも値上げしたいのが本音のようです。
しかし、ただでさえ5万円くらいする硬式野球のグラブ、いいものとなると6万にも7万にもなる高価なグラブ、
これを牛の値段が高騰しているから10万円や15万円となりますとも言いにくいため各メーカーとも和牛皮革のグラブはぎりぎりの値上げで今日まで凌いでおりました
メーカーさんにとって2019年10月の消費税増税は値上げをするには「いいタイミング」だと思います。
このを機に、これまで控えてきた大幅な値上げを決行する可能性が大いにある気がします。
ハタケヤマさんの場合)
今から6年前(2013年)
ハタケヤマキャッチャーミットの硬式スペシャルプロオーダーの値段は
60000円+税でした。
硬式のカタログ記載定番ミットで最上級のαシリーズのミットが47000円+税
現在(2019年)
ハタケヤマキャッチャーミットの公式スペシャルプロオーダーの値段は
67000円+税
硬式のカタログ記載定番ミットで最上級のαシリーズのミットが51000円+税
ハタケヤマさんは、和牛が年々値上がりしているのにここ6年で1割しか値上げをしてきていないんです。増税のこのタイミングでさらに5000円くらいきてもおかしくない気がします。
というわけでハタケヤマさんに限らず、ミズノ、ゼットなど野球グラブを取り扱う各メーカーすべてがグラブに関しては原材料高騰への対応として、「便乗値上げ」も検討中だと思います。
もう一度提案します。
「グラブ・ミットの購入を検討の方はお早めのご注文を!」
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