今年大ブレイクの「ドナイヤ」村田社長が来店されました。そして・・・イレブンオリジナルグラブが!?
プロ野球交流戦が始まりました。
ファイターズと対戦するスワローズが来道、目下打撃好調の山田選手に同行していたドナイヤ村田社長が空き時間を使ってイレブンにわざわざ足を運んで下さいました。
相変わらずグラブの売れ行きも好調ということで、後日販売予定のオールスター限定モデルも大量の予約が入っていて検品などでお忙しいとのことでした。
牛皮革が高騰しており良質のグラブ皮革を確保するのが難しくなっている昨今ですが
「ドナイヤさんではいかがでしょうか?」
と尋ねたところ、ドナイヤさんでは来年も問題なく現在の革を確保できるとのことでした。
さて、
いろいろと会話しているうちに、ドナイヤのグラブに主に使用されている革「ステアハイド」という種類の革に対する村田社長のこだわりが印象に残ったので、会話した内容の一部を紹介させていただきます。
・北米産ステアハイド
生後6か月以内に去勢され(3~6か月以内)、24か月以上育てられた牡牛の皮を鞣した革のことを一般的にさすようです。
キップスキンとよばれる生まれてから2年未満の仔牛の革のものの方がお値段が高価なので野球のグラブにしようされる「キップ革」のものの方がいいものだと思われておるが「本当にそうなのか?」という思いを村田社長は常々おもちだったそうです。
子牛の革が成牛の革よりも高価なのはグラブを作ることにとっては当然のことだと思います。
それは、革質がどうこういう以前に、「一頭の大人の牛からとれる革の面積」と「まだ大きくなり切れていない一頭の子供の牛からとれる革の面積」を比べれば当然子供の牛からとれる革の面積は小さいわけですから、大人の牛よりも多くの子牛の数が必要になるわけです。
1:値段がキップの方が高価だが、キップスキン≠ステアハイドより優れているわけではない
さらに、村田社長のこだわりは「できるだけ長く同じグラブを使い続けてほしい」というものです。
人間も同様で、身長の伸びや体重の増加が落ち着き大人の体つきに変わり始めてから体に身が入ると言います。
牛の皮も同様で、体格の変化が落ち着いてきて皮に厚みが出てくる。
キップよりも皮が厚くなってきて、皮にこしが入って丈夫になり、
長く使用していく過程で革製品ならではのアジが出てくる。
2:長く使うことにより自分の手になじむ「アジ」を得る喜びがステアハイド革にはある
長く使用し「グラブを育てる」楽しみをドナイヤユーザーに味わってほしいと願う村田社長の熱意を感じるお話しをいただきました。
ファイターズが北海道に移転した当初に看板選手として活躍された新庄剛志さんは、タイガースに入団した時に購入したゼットのグラブを使用しつづけ引退するその時まで10年以上も同じグラブを公式戦で使用し続けたそうです。
ファイターズファンのうちでは有名な逸話ですが、ここにはおまけの話があります。
シーズンが終了し来年の公式戦に向けて、来年使用する用具を各メーカーのプロ担当の方は選手に提案します。
10年以上同じグラブを使用されていた新庄選手に対してもそれは同じことで、シーズン終了後に新庄選手が使用している用具メーカーの方も毎年新しいグラブを新庄選手にご提案しています。
しかし、毎年同じことを言われたそうです。
「自分が使い込んだこのグラブと同じものを用意してくれればすぐにでもそのグラブを使用する」と。
ゼットさんは新庄さんがタイガースに入団した時に購入したグラブと同じモデルのものを作成しもっていったそうですが、引退するその時までしても使用してもらえることはついになかったそうです。
当然ですね。
同じ形状のグラブであったとしてもその選手が長年使用してできた「クセ」や「手入れをした革質」を新品のグラブに他人が刻みこむのは不可能ですし、グラブは天然のものを使用した革製品の見た目が同じに見えても同じ性質の革は2つとないわけです。
買い換えたグラブが以前の使いやすいグラブと同じものになる保証がないだけに「気に入ってもらえたグラブを長くつかってほしい」と考える村田流のこだわりと新庄選手の逸話がかぶりました。
だから、ドナイヤのグラブは「キップ」よりも「ステア」を推すんですと村田社長はおっしゃってくれました。
最後に(実現するかどうかわかりませんが)
次、12月にいらっしゃるときに「こういう革が社長のところで手に入るなら、それをつかってグラブを作ってきてくれませんか?」とお願いしました。
実現すればドナイヤのイレブンオリジナルとなりますが・・・実現するかな?
次にお会いする12月が楽しみです。
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