野球ドリル(問35)
※意外と知られておりません。
ワンアウトランナー3塁のケースです。
盗塁の心配がないからと、ピッチャーが打者に対して正対し、ワインドアップモーションで投球しようとしております。
両手を前におろし振りかぶって、足を上げて・・・3塁に牽制球をしました。
当然ボークを取られ、両チームから笑いが起きておりました。
ワインドアップモーションから牽制球はできない?でしょうか?
野球ドリル(問35)の答え
野球規則8,01より
(a)投手は打者に面して立ち、その軸足は投手板に触れて置き、他の足の置き場所には制限がない。とあり、原注2より
本条(a)項の姿勢から、投手は、①打者に投球してもよい。②走者をアウトにして塁に踏み出して送球してもよいとあります。
ただし、8,01の①に打者への投球に関連した動作を起こしたならば、途中で止めたり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない。
とありますので、右投手の3塁への牽制、左投手の1塁への牽制は①に抵触する可能性があります。
したがってワインドアップポジションでも、両腕を振りかぶらずに動作のながれで「右投手の1塁への牽制」「左投手の3塁への牽制であれば」投球動作には見えないであろうからプレートを外さずに牽制球を投じることができます。
ワインドアップポジションでも振りかぶらずに、プレートを外し両手を外せば右投手の3塁への牽制と左投手の1塁への牽制は可能になり、ワインドアップポジションにセットしても牽制球は投じることが可能であります。
気を付けなければならないのは「右投手の3塁への牽制」と「左投手の1塁への牽制」は投球動作と同一とみなさやすいため、プレートを外して行わないと投球動作の中止でボークとなるものと思われます。
なお、2塁への牽制ですが、右投手の右回り、左投手の左回りは投球動作の中止ととられるおそれがありますので、右投手は左回り、左投手は右回りで牽制球を行う必要があります。
というわけで、ワインドアップポジションでもランナーへの牽制球は可能です。
ワインドアップポジションで牽制球はできないと思われがちなので、覚えておくと有利だと思います。