「飛ぶグリップテープ」のことを皆さんご存知でしょうか?
15年ほど前になりますが、デサントさんの「グリップテープとバッティンググラブ」を一緒に使用してボールを打つと、打球の飛距離が伸びるという商品が発売されておりました。
マジックテープの理論を応用したもので、グリップテープの凹凸とバッティンググラブの凹凸がかみ合って、バットを握ったときのグリップ力が増しインパクト時のパワーロスを最小に抑えるという、当時としては画期的な商品だったのですがいつの間にかカタログに掲載されなくなりました。
さて、たくさんの野球少年たちは今も昔も、バットやグラブには大変興味をお持ちですが、グリップテープにどのくらいこだわりをお持ちでしょうか?
弊社でも、グリップテープの巻き方に関してご要望をお伺いすると「通常の逆に巻いてほしいです」とか、握ったときのフィーリングに関して「厚いもの」「薄いもの」「凸凹しているもの」「クッションの利いたもの」「滑りにくいもの」などをお探しの方がほとんどです。
デサントさんの「飛ぶグリップテープ」が廃盤になって10数年、店頭で「バットに巻いたらボールがより飛ぶグリップテープ探してます」というお問い合わせも聞かなくなりました。
「グリップテープの機能」に関してはフィーリングの問題で、皆さまどれも変わらず同じ物であると思われているようですが、実はちょいと違うようです。
金属バットであれば必ず巻かなければならないグリップテープなので、すりきれていたり、ほころびている状態ではルール上使用できないので巻いていることと思いますが、「ボールを少しでも遠くに飛ばそう」と思うのであれば、ハイグリップ(滑りにくい)のものをオススメいたします。
そこで、今回オススメなのがウイルソン社から長年販売されておりますグリップテープ「エンボス状のWTA7751」+「ウィルソンのバッテインググラブWTABG0601~0605・WTABG0301~0307」のセットです。
ウイルソン社の弊社担当、Nさんにお尋ねしたところ。
ウイルソン社では自社のグリップテープの素材に対して、最もグリップが働く素材を同社のバッテインググラブに使用しているとのことでした。
ですので、ウイルソンのバッテインググラブを使用している選手であれば、ウイルソンのグリップテープをバットに巻いてあげることが一番グリップがよいという事でした。
そもそもなぜ、グリップ力がボールの飛距離に関係してくるのか?
それは、投手の投げたボールがバットに当たった瞬間というのはかなり強い衝撃がバットに伝わります。
ボールにスピードがあればあるほど、回転量があればあるほど衝撃の度合いは大きくなります。
その結果、しっかりとバットを握っていたとしてもボールが当たった衝撃でバットの表面が動くのです。
ボールの衝撃によってバットの表面が動くと、その分ボールにバットのインパクトを伝えるパワーロスが生じるため威力が弱くなるんです。
近年再び、「縦研磨加工のバットがいい」ということで売れ筋商品となっておりますが、縦研磨でボールとバットの食いつきがよくなるほどバットの表面にかかる力が上がりますので、パワーロスも大きくなると言えると思います。
ですので、インパクト時の力が逃げないように「バットのグリップ力」にこだわるということは飛距離を伸ばすうえで大事な要素となるわけです。
ポイント
・バッテインググラブのサイズの目安は、グリップ力をあげるためにはできるだけフィットしたバッティンググラブをお選びください。
手を握ったときに手の甲がピンと張るくらいのサイズで、手袋の大きさに遊びがあると、その分インパクト時にバットの表面が動くとお考え下さい。
・手首だけのベルトよりも、手の甲もしっかりとフィット感を増してくれるダブルベルト式のバッティンググラブの方がよりしっくりくると思います。
・バッテインググラブの埃落としだけではなく、グリップエンドの砂や土もきれいに拭いてあげてください。
バッティンググラブに砂や土がついているとそれが滑る要因のひとつとなりますので、一日の練習が終わった後、自分の使用しているバットをきれいに拭いて、最後は素手でグリップテープのグリップを確認してしまってください。
用具の手入れをきちんとすることが上達するための近道でもあります。
*グリップ力を維持する秘訣がもうひとつあるのですが、それは店頭にてお尋ねくださいね。
ウイルソン社こだわりの「バッテインググラブとグリップテープ」、お買い求めの際はぜひともセットでご購入下さいませ。