球審は3アウトに気が付いていたが選手が気がつかず4アウトまでプレイを続行。この球審の判断は正しい？｜野球クイズ・問52

ほとんど起き得ないことですが、覚えておいて損はないと思います

野球クイズ【問52】

先日、野球少年のお父さんからお伺いした内容です。

ワンアウト2・3塁の場面で打者がスクイズバントをしました。
1塁ベースががら空きだったため打者走者は1塁セーフとなったのですが、2塁ランナーが3塁をオーバーランしたところに野手がボールを転送し、2塁ランナーは3本間に挟まれアウトとなりました。

続く、2アウト1塁で次打者をセカンドフライに打ち取り3アウトが成立したのですが、3アウト後もなぜか攻守交替なくそのままプレーを続行。
3アウト1塁のケースで試合を行っておりました。

守備側としては幸いなことに次打者をファーストゴロに打ち取り、4アウト目の成立をもって攻守交代を行ったそうです。
この試合が終了したあとに、その試合を観戦していたお父さんが球審に確認したところ、球審は気が付いていたのだけど選手が気が付いてなかったのでそのまま続行したとのこと。
お父さんとしては「仮にお互いのチームが気が付いていなくても3アウトだから、球審は攻守交代を命じなければならないのでは？」ということでした。

さて、球審は3アウトに気が付いていたけど選手が気が付いていない場合、球審はどうすべきだったか？　

過去の夏の甲子園大会、昭和57年の夏の選手権大会（甲子園）で帯広農業高校野球部が甲子園に出場した際に、同様のプレーがありました。

・球審はどうすべきだったか？
・4アウトで攻守交代チェンジとなったあと、次の回の打順はどうなるのか？

ほとんど起き得ないことですが、覚えておいて損はないと思います。

野球クイズ【問52】答え

審判がわかっていた場合
審判員は試合を円滑かつ速やかに行う義務がありますので、3アウトが成立したら速やかに攻守交代を促さなければなりません。
つまり、選手が気が付いているいないに関わらず3アウト成立で攻守交代です。

審判が気が付いていない場合

野球規則9.02より
審判員が、規則に反した裁定を下したのにもかかわらず、アピールもなく、定められた期間が過ぎてしまったあとでは、たとえ審判員が、その誤りに気づいても、その裁定を訂正することはできない。

3アウト成立時点でアピールがなかった場合、攻守交替までのプレーは成立するということで、点数が入っていればそれは認められることとなります。
甲子園で起きた、帯広農業高校の試合でアウトカウントに関する人為的なミスの場合、選手は気が付いていたのですが審判はすぐにが気が付かず、攻守交代時点で分かったそうです。
ただし、時はすでに遅しということで、後日高野連は公式にお詫びをし当該審判4名を大会期間中謹慎処分にされたということです。
ちなみに記録上3アウト後のプレーについては削除されたということなので、記録には残りませんが当事者にとって記憶に残る試合となってしまったようです。

　
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以下は2021年の「公認野球規則」です。