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伝説は作ったが伝統は残せなかった、偉業を成し遂げた監督の栄光と苦悩。「勝ちすぎた監督 駒大苫小牧幻の三連覇 中村計(集英社)」

勝ちすぎた監督 駒大苫小牧幻の三連覇 中村計(集英社) 表紙 勝ちすぎた監督 駒大苫小牧幻の三連覇 中村計(集英社) 目次

勝ちすぎた監督 駒大苫小牧幻の三連覇 中村計(集英社)

1,700円(税別)
美人すぎる〇〇、イケメンすぎる〇〇など、〇〇すぎるという表現、ここのところ特に女子アスリートなどを形容するときに使われる印象がありました。
当然、よい意味で使用されているわけですが、今回紹介します本書は「勝ち続けたために起きた弊害」として勝ちすぎたと表現しております。

本書は、甲子園を目指してひたむきに白球を追いかける清々しい「高校生の青春の1ページ」的な高校野球の要素は感じられない「たくさんの大人たちがビジネスとして高校野球に携わっている」という側面が色濃く綴られている内容です。

多くの人に愛される高校野球の魅力とは何でしょうか?
甲子園を目指す高校球児の全力プレー、トーナメント戦形式の負けたら終わりの「全国高校野球選手権大会」夏の甲子園大会は特に夏の風物詩ともなっている側面がございます。
悔いを残さないために普段練習してきたことを出し切る姿勢、最後まであきらめない真摯な姿勢に野球をしてきた人も、そうでない人も、自分の暮らす地域の代表校や個人で推す選手やチームを応援されます。

清々しさや一球一打にかけるひたむきな取り組みが起こす筋書きのないドラマが、観る人を魅了するところに高校野球の感動があるわけですが、たくさんの人々が注目をするスポーツであるだけに甲子園大会はマスコミをはじめここに携わる大人たちにとって大きなビジネスともなるわけです。

この本の筆者もしかり、社会人野球時代の知識を活かし、相手チームのデーターを分析、優勝以降それを売りに甲子園請負人として商売に結びつけた方の存在など、表舞台に出てこない大人の裏事情も事細かに記載されております。

元監督の有名になるにしたがって増していく注目度。
甲子園で快進撃を続けようやくたどり着いた輝かしい栄光。
ところがたどり着くと一息つく暇もなくそれまでの環境が一変、ますますヒートアップし、これまで以上の注目度、そして勝ち続け注目され続けたことによって、徐々にずれていく日常により生まれた様々な弊害。

いつの間にか周りの「雰囲気」から勝ち続けなければならなくなったチーム状況、負けることが許されない「雰囲気」は周りの目を常に気にし、自身もチームにも気の抜けない環境を生み出した。
最終的に世間が生み出した「雰囲気」に疲弊し、マスコミをはじめとする野球部を取り巻く周りの「雰囲気」が環境の変化を生み、様々な人とのしがらみが生じることになる。
この本のサブタイトルにある「幻の3連覇」という表現は、本来なら成しえたはずの3連覇を阻んだのは、当事者以外の人たちの作り出した「雰囲気」が原因の一端を担い「まぼろし」と終わったように感じました。

道内の高校には駒大苫小牧高校野球部以外にも全国区のチームがいくつもあります。
同校のアイスホッケー部や吹奏楽部も全国トップレベルの成績を残す名門チームです。
東海大四高校吹奏楽部、札幌旭丘高校合唱部、札幌山の手高校女子バスケットボール部、札幌山の手高校ラグビー部、北海道科学技術大学付属高校ソフトテニス部、とわの森三愛高校ソフトボール部なども全国常連の部活動、それぞれの競技に携わる方で知らない人はいないだろうと思われる強豪ですが、マスコミが話題にし続けることはございません。

それだけに、一高校の部活動に対するあの時の周りの注目の仕方は「異常」であったともいえると思います。

高校野球において北海道の代表チームが夏の選手権大会を優勝することはもちろん、連覇をすることなど誰も想像しないことを成し遂げたことは偉業ですが、この状態を「勝ちすぎた」と筆者は表現しております。

そんな異常事態が続く中でなぜ「勝ち続けること」ができたのか?
「雰囲気」の存在とは?
気になる方は是非とも一度ご覧になってくださいませ。
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