北照高校野球部さんの無期限活動停止から考える、教育の一貫としての高校野球
8月31日の新聞記事はびっくりしました。
小樽市にある野球強豪校、北照高校野球部さんの無期限活動停止の記事です。
学校長からの発表でしたのでまず、学校としての野球部に対する処置を公表がされました。
後日、北海道高野連からも同野球部に対する処分が別途発表されることになると思われます。(対外試合の停止期間など)
さて、先日のコラムで紹介させていただいた高校野球部の「連帯責任」についての補足となるのですが筆者として最近不思議に感じている部分がございます。
高校野球は高校の部活動のひとつとしての学校教育であるという考え方が提唱されている一方で、「学生野球資格回復者の指導登録制度」の存在、いわゆる元プロ野球選手が高校生に野球の技術指導をしてもいいよというものです。
他のスポーツ競技や文科系の方からするとプロ選手に指導を受けて何か問題があるの?と感じることと思います。
しかし、高野連は以前プロ野球関係者が高校野球関係者(指導者及び選手)に接触することを禁止していました。
少し掘り下げますと一度プロ野球選手になった選手の、社会人野球への選手としての復帰も規則上禁止でした。
しかし、オリンピックの野球競技にプロ野球選手を派遣するようになった前後からその規定が徐々に緩和されていき、より高い技術をアマチュア野球に広めることでさらなる日本球界の底上げを図る目的から、今日では現役プロ野球選手がシンポジウムなどを行い、直に高校生を指導してもよいケースも存在します。
話を戻します、「教育の一環」と「元プロ選手の指導者資格」というのは筆者は相いれないものであると思うため疑問に感じるのです。
野球は対戦相手よりも1点以上多く点数をあげたほうが勝利するルールですから、試合に臨むにあたり相手よりも「高い技術」を駆使してより有利に戦うために日々練習するわけです。
そもそも「野球の技術向上」とはなんだろう?と考えると、非常に広義で例えば、よりボールを遠くに飛ばす、より多くヒットを打つ、より速いボールを投げられるように練習するのもひとつ。
相手チームの選手のクセを分析しサインを盗む、ルール違反ではないが、すれすれのマナー違反、審判によってはボークをとりにくい牽制球など、野球選手の動作を改善するものがあれば、毎日が勝つための、プロ選手自身のご飯を食べるために磨いた技術もある。(これは別の競技でもあるものだとは思います
プロの技術を高校野球に取り入れるということは「勝利至上」の部分は少なからずでも入ってくると思います。
実際「勝たなきゃ意味がない」という野球専門の職業監督さんもいらっしゃるし、一方で、勝ち負けではなくフェアプレーの精神でひたむきに「高校野球は教育の一環」という考えの指導者もいらっしゃいます。
元プロ野球選手の「野球の知識」も結局は取り入れる側の意識次第というところなんですけどね。
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