弊社サイトにも告知いたしましたが、イレブンの久保田スラッガー担当者が来社された時に「湯もみ型付け」について語っていただきました。
「グラブの湯もみ型付け」の起源は1968年の久保田運動具店さんと伝え聞いております。
様々なスポーツ店のホームページで「久保田スラッガーの湯もみ型付け」とか「○○名人直伝湯もみ」を宣伝し、グラブに湯もみ型付けで型を付けた方がいい!との触れ込みが多数ございます。
これを見たら「グラブは湯もみ型付けをするもんなんだ」と思う人もいるでしょう。
しかし、当事者である久保田運動具店さんが自社の久保田スラッガーのグラブに「湯もみ型付けをして下さい」とガンガンアナウンスしているか言えば、
久保田運動具店の公式ホームページにはどこにも見当たらないのです。
というわけで、先日大阪本社からいらした久保田運動具店の弊社担当のM氏にズバリ!聞いてみました。
グラブは湯もみ型付けをすべきなのか?
イレブン:本日は大阪より雪国の札幌へ遠路はるばるご側路頂きありがとうございます。
さて、本日はイレブンにご訪問いただけるということで質問をご用意しておりました、よろしくお願いいたします。
久保田 :例の質問コーナーにて募った質問ですね。
よろしくお願いいたします。
イレブン:では、さっそくですが久保田スラッガーのグラブに限らず、すべてのグラブは湯もみ型付けをした方がよいのでしょうか?
久保田 :他社さんのグラブが湯もみ型付けをした方がよいかどうか?このことについてはわかりません。
しかし、スラッガーのグラブについては湯もみ型付けをした方が弊社の「こういう風にグラブを使ってほしい」という使い方にグラブがなってくれると思います。
イレブン:湯もみ型付けをしないと「こういう風にグラブを使ってほしい」という形にはならないのでしょうか?
久保田 :買った直後の堅いグラブでキャッチボールやゴロのボールを捕球しようとするとグラブがボールを弾きます。
しかし、選手は弾くグラブで捕球したいため、弾きにくいようにグラブのウェッブ下のあたりで捕球をしようとします。
そうすると、スラッガーのグラブのコンセプトである「グラブの真ん中で捕球する」とは違う「グラブのポケット」ができてしまい、そうであれば久保田スラッガーのグラブではなくてもいいことになってしまいます。
イレブン:湯もみ型付けをしたグラブだと違うということですか?
久保田 :はじめから柔らかい、形のついたグラブであれば、両の手のひらの真ん中で捕球するように初めからグラブが使える、使いだしが違うので初めから柔らかく形が付いていれば、ついてほしくないところにポケットができることによる型崩れがしにくいと思います。
また、手のひらで捕球することにより、グラブ本体の「親指付け根の破れ」や「革ひも紐の切れ」など、グラブ修理に多いウェッブ周辺の破れ修理というのが少なくなります。
イレブン:そういうグラブの使い方は、湯もみ型付けをしなくても時間をかけてゆっくりとしていけばできると思うのです。
しかも、湯もみ型付けをして柔らかくなるといっても、革製品をお湯でどっぷりと漬け込むわけですからグラブ自体にいいことではないと思いますし、イレブンの場合、社長のこだわりで「できるだけ湯もみ型付けはするな」と言われてるのもあって、コッソリとやってます(笑)。
久保田 :たしかにそうですね、湯もみ型付けをしたグラブはグラブの修理がそれほどなく長持ちしますよというより、湯もみ型付けをしたグラブは革製品であるだけにグラブ自体の耐久性は落ちますし、その後のお手入れも何かと大変だとは思います。
メリットとしてはグラブの手入れがある程度できる人だと長持ちしますというところでしょうか?
なんとも表現が難しいところですね。(笑)
イレブン:買ったらすぐ使いたいせっかちな人に湯もみ型付けを推奨したらいいでしょうか?
久保田 :そうですね、買ってすぐ使いたい人のためのものですから(笑)
イレブン:今後のグラブ販売の参考になりました、ありがとうございます。
最後に話は変わりますが、久保田さんとして現在気になるグラブメーカーはありますか?
久保田 :そうですね、ミズノさんとうち(久保田)とは規模が違いすぎるのでまあ対象外として。
私個人として気になるのはアイピーセレクトさんでしょうか?
大阪市内のお店さんからも「革がいいよ」という話を聞きますし、コンセプトもうち(久保田)と似ているところがあるのでね。
イレブン:なるほど、今後の参考とさせて頂きます、ありがとうございました。