ソフトボール日本代表の北京オリンピック金メダルを支えた、鈴木志保子先生のお話
8月25日、ヤクルトさん主催の栄養学の講習会に参加してまいりました。
当日頂いた資料のコピーや配布を禁止します、と表紙に記載されておりますのでホームページへの掲載を控えさせていただくとして、大まかな内容を紹介させていただきます。
ちなみに、今回講師として札幌でお話をしてくださった鈴木志保子先生のお仕事ですが、例えばオリンピックで金メダルを獲るために選手の動きを見てトレーニングメニューを考えたり、身体のケアをすることがスポーツトレーナーのお仕事だとしたら、スポーツ栄養士である鈴木志保子先生のお仕事は「食事と栄養の知識」を元に4年間で世界一の力を発揮できるように選手の身体が成長するようにマネージメント、食事によってアスリートの身体を作り上げるお手伝いをすることだと思います。
その時その時の選手のコンデションを見ながら、一人一人の状況にあった食事をご提案し、肉体を進化させていく。
何年もかけて選手をサポート、マネジメントしていく専門性の高いお仕事だと思います。
今回のジュニアアスリートの栄養補給の講演では、まだ成長過程にあるジュニアアスリートにとって、5・6年かけてどのように食事に取り組んだらよいか?をレクチャーしてくれました。
ジュニアアスリートの時期(個人差がありますが11歳くらいから17歳くらいまでの第二次成長期)に食べるものは、運動内容によってその選手の大まかな体格が決まっていきます。
個人差はありますが、特に身長の伸びはこの時期を除くと大幅に伸びるということは考えにくいです。
世界的にトップアスリートと呼ばれる選手、特に野球選手においては身長が大きいほど有利と言われているため(ここ最近のプロ野球選手の平均身長は約180cm、体重は84㎏)、身体を大きくしやすいこの時期(11歳から17歳までの6年間)にいかに大きいからだを作ることが出来るか否かで野球選手として活躍できるかどうかが大きくかかわってきます。
身体を大きくするためには大きくなるだけの食べ物を食べないと大きくなりません。
というのも人の身体を形成しているものは間違えなく「食べ物」でありますから、身体を大きくしたいと思うのならたくさんの量の食べ物を毎日摂取しなければならないわけです。
特に最近は「身体を大きくするためにとにかく食べなさい」という指導者が増えてきました。
チームによっては練習中に補食を摂るための時間を設けております。
食に対する意識は年々高まっていると考えて間違えないことと思います。
講座のスタートはまず、ジュニアアスリートがおかれている現在の状況についての話から始まりました。
驚きだったのは、成長途上のジュニアアスリートにとってあまり好ましくない栄養の取り方をマスコミ等で取り上げられているため、現状を危惧されてます。
というのも、栄養学の専門的な本を手に取らなければどんな食事をしたらよいのか?という知識は、テレビなどで目につきやすい分野でトップアスリートと呼ばれる成人の選手たちの栄養の取り方などを見たり、自身でネットで調べたりして知っている選手や広告料にたくさん費用を使っているプロテインやサプリメントのホームページなどから食生活から学ぶことが多く、見た人や読んだ人がどういう状況か?ということよりも、掲載企業が売りたいもの「こうしたい」と思っているものばかりを目にすることとなります。
某芸能人がこれを飲んで細マッチョになったですとか、炭水化物はとらない方がいいなどと「身体を大きくすること」の情報が多種多様で、成長途上のジュニアアスリートが取り入れた場合にその情報が彼らにプラスになるかどうかが不明瞭、時に成長過程において悪影響がでる可能性のあるものも多くあるそうです。
成長途上のジュニアアスリートにとっての身体を大きくしながら筋力をつける食事内容と、出来上がった身体を鍛え抜く食事内容や、体脂肪にたいする考え方は成人とは似て非なるもので、そこには大きな違いがあるのに、メディア等で紹介されるトップアスリートたちの食事の仕方ばかりを目にすることとなると、それが自分たちにとってもベストであると勘違いし、本来得られるはずの体格を得られないまま、成長期を過ごしてしまうかもしれない可能性があると鈴木先生は警鐘を鳴らしております。
基本的にジュニアアスリート世代に「プロテイン」は必要ない
身長の伸びや骨格の形成がある程度完成された18歳以降のアスリートの食事は、
「基礎代謝量ぶん」+「運動量に見合った量」
となりますが、
成長途上のジュニアアスリートの食事は、
「基礎代謝量ぶん」+「身体を成長させる量」+「毎日の練習で消費する量」
となります。
身体が大きくなろうとしている時期に、体重が増えていかないということは不自然なことです。
単純に身長が伸びていれば伸びた分だけ体重が増えていくもので、この過程で筋肉がついてくれば骨格がしっかりし体重が増えていくはずです。
日常のトレーニングで体重が減少していくからプロテインなどの高タンパク質を摂取して、筋肉量をあげて体重を増やそうとしても、1日に必要とするエネルギーぶんのカロリーを摂取していないと筋力アップにはつながりません。
つまり「糖質」は成長期には絶対に必要な栄養素で、ご飯をしっかりと食べられない選手がプロテインをとるようにしても、筋肉量が増える方向に作用しないと鈴木先生はご指摘されております。
ジュニアアスリート世代には長時間練習を課してはならない
朝5時から朝練習をし、放課後は夜の11時くらいまで練習という、徹底したスパルタ教育で甲子園に出場できたチームがあり話題になっておりました。
精神論で考えるとすばらしいこと?なのかもしれませんが、スポーツ栄養学ではしてはいけない練習方法のようです。
本来、人間は朝起きてから13~15時間後に眠たくなる習性があるそうです。
7時に起きていれば夜の8時から10時くらいには眠たくなり、この自然な生理反応で寝られることで充実した睡眠を得ることが出来ます。
このサイクルで正しく栄養をとることで身体が大きくなっていくわけです。
朝の5時から練習を開始するということは5時前に起きるわけですし、11時くらいに練習が終わるということは寝る時間は12時くらいでしょうか?
となると、通常の人間の生理現象を無視したスケジュールでしかも布団に入ってしっかり寝られる時間は1日約4時間ということになります。
スポーツ栄養学に限らず、人が運動や勉強、日々の仕事で十分なパフォーマンスを発揮するためには、
「十分な栄養」と「十分なトレーニング」と「十分な休息」
の3つが必要で、どれか一つでもかければそれはベストな状態であるとはいいがたいと思われます。
朝ごはんをしっかり食べることで夜の10時くらいに眠たくなるわけですし、十分な睡眠をとれているから朝ごはんをしっかりと食べられるわけです。
そして体調がいいからこそ充実した練習に取り組め、大会などでベストなパフォーマンスを発揮できることになります。
さて、プロテインなどのサプリメントをあまりお勧めされない鈴木先生が、唯一このプロテインなら摂ってほしいとおっしゃっていたプロテインがこちらです。
森永製菓さんから発売されております「リカバリーパワープロテイン」という商品です。
「1.02kg」と「3.0kg」の二種類、お味の方は「ピーチ味」と「ココア味」がございます。
品番:28mm12302(ピーチ)・28mm12300(ココア)1.02㎏の方が4,000円(税別)
品番:28mm12303(ピーチ)・28mm12301(ココア)3.0kgの方が10,500円(税別)
となっております。
プロテインをオススメしない鈴木先生があえてリカバリープロテインだけは採ってもいいという理由)
リカバリーパワープロテインは、「運動で消費されたエネルギーの補給」と「疲れた身体の修復」を目的としたサプリメントで、高タンパク質含有量を謳い筋肉量を増やす目的の一般的なプロテインとは成分が大きく異なります。
糖質3に対してタンパク質量が1と、主成分が糖質なんです。
成長途上のジュニアアスリートにとってまず必要なのはエネルギー源となる糖質です。
糖質が足りていなければ、いくらタンパク質をとっても身体は大きくなりません。
十分な糖質を取れていてタンパク質を摂取するから、タンパク質が筋肉に変わってくれるものなので、身体を大きくしたいならまず糖質を取ることが優先順位の1番目にくるそうです。
そして、タンパク質をたくさんとれば筋肉量が増えると考えられているようですが、これは「間違え」だそうです。
トレーニングによって疲労した筋肉は「超回復」と呼ばれる生理反応によって大きくなるのですが、これは「超回復」の度合いによって筋肉が付くのであってたくさんタンパク質をとっても、身体のタンパク質を受け付ける量は決まっているため、多い分はほとんどは排便によって体外に出てしまうものであるそうです。
さらにタンパク質過多は内臓にいい影響を及ぼさないためタンパク質をたくさん取ることは健康面で考えると止めた方がいいという事でした。
鈴木先生曰く「毎日食べている、お肉やお魚、納豆や豆腐などから得るタンパク質で十分」で、身体を大きくしたければ、まずご飯を食べられる量をきっちりたべることであるそうです。
ジュニアアスリート世代で体重を増やしたいとお考えの方は「リカバリーパワープロテイン」をオススメしたいと思います。
なお、鈴木先生に当日お話し頂いた、詳しい話(どんな食べ物だとバランスが取れていいなど)はご来店いただければお話いたします。
(資料をお渡しすることはできませんが、お見せすることはできますので)