大事なのは皮革よりも”中の方”。
今使ってるキャッチャーミットの芯材がしっかりしてれば捕球面の張り替えをオススメいたします。
使い込んだいい感じの型にハリとコシのある新しい革のミット、いかがでしょうか?
シーズンオフになると、来シーズンに向けて野球用具のメンテナンス修理を多く承ります。
・グラブの破れやほころびの縫い修理
・アタッチメントグリスの補充
・切れそうな革紐の交換
・スパイクの破れ修理、P革の交換
・レガースの足甲部分の補強
・レガースバンドや結合部分の交換
・バックやケースのファスナー交換
「これは可能ですか?」といろんなご依頼がやってきます。
そんな中のひとつに、
キャッチャーミット捕球面の張り替えという依頼を受けます。
イレブンで不動の人気No.1のキャッチャーミットは「ハタケヤマ」です。

【ハタケヤマ】〈甲斐モデル〉硬式野球用キャッチャーミット:PRO-M62VO(Re-Mitt硬式シリーズ)

【ハタケヤマ】硬式野球用キャッチャーミット:KーM9JY(Kシリーズ)
ハタケヤマさん自体が捕球面の張り替えを推奨しているメーカーさん。
しかもしっかりとメンテもしてくれるので、ハタケヤマミットの張り替えはハタケヤマさんへメーカー修理に出します。
ちなみにキャッチャーミットの売れ筋、No.2はミズノさん、No.3はゼットさんです。
ドナイヤやクボタさんなどのキャッチャーミットもちょいちょい出ますが、イレブンの売れ筋キャッチャーミットはほぼこの3社に絞られます。
ハタケヤマさん以外のメーカーさんでも「捕球面の張り替え」は受け付けていて、大体はミズノさんやゼットさんへメーカー修理を依頼しますが、急ぎだったり、ご予算の関係だったり、メーカーによっては張り替えをしてないところだとたまにイレブンですることもあります。
今回、当初破れの縫い修理の依頼だったのですが、お預かりした時点で破れが3カ所。
さらに破れてはいないが「破れそうな箇所」が何カ所かありました。
半年後のことを考え、破れを縫ってもすぐに別のところが破れて修理すると結果修理費用が高くつくのであれば、事前に捕球面を張り替えた方が安上がりだと思いご提案したところ、お客様からすべて任せるということでしたので弊社で張り替え作業を行いました。
ということで、ミット捕球面の張り替えの工程を順に紹介して参ります。
キャッチャーミット捕球面の張り替えの工程
①捕球面の型取り
グラブやミットの型紙は「メーカーの企業秘密」ですからイレブンにはありませんしお貸し頂くことも不可能です。
従ってミットを分解して寸法を測り「型紙」を作る作業を行います
②裁断と縫製
型紙をつくり捕球面の皮革を切り出したら分解したマチ部分のパーツを取り付け直します。マチを作らないで取り付けるのは「平面の皮革を曲げる加工」というのは曲げる際にしわが寄ってきれいに縫製するのが難しくなります。
従って出来上がっているものを取り付けます
次に皮革の端が切れてこないようにヘリ革を取り付けていきます。
③組み立て
捕球面にマチを付け、ヘリ革を縫い付けたらミットの組み立てに入ります。
ミット内部の芯材を縛る紐を補強し、アタッチメントグリスを補充し「芯材と捕球面を接着」します。
補強と接着が完了したら、革紐を通してミットを組み立てて行きます。
④完成
革紐を通し終えたら完成です。
作業工賃は15000円前後。
納期は1ヶ月ほどいただいてます。
(メーカー修理依頼の場合、混雑状況により納期はずれ込む可能性があります)
張り替えのメリット
・新品のミットをまた一から型付けをする手間が省けます
・丁寧に型を付けたミットであれば「新しくハリのある革」と「自分が一番捕りやすい形」の状態で捕球するので、捕りやすくて心地よい捕球音も鳴ります
本来捕球面を一度張り替えたミットが「選手にとってもっともいい状態のミット」になっているはずです。
イレブンで湯もみ型付けを特に「キャッチャーミットにしたがらない理由」はここにあります。
数秒とはいえお湯の中にミットを浸してほかほかしている間に、叩いたりねじったりして形をつくる訳ですが、素早く型を付けることは形がつく反面、ミット芯材の強度を落とします。
そうなると使い込んで張り替えをしたとき、新しい捕球面がまたボロボロになるまで使い込むまで十分な強度をもって使い切れるか?という部分が不安になるからです。
野手のグラブはもともと張り替えをすることを前提にしていないので湯もみ型付けはありだと思いますが、ミットことハタケヤマのキャッチャーミットに関してはこの限りではないと思ってます。
ハタケヤマのキャッチャーミットをこれからご購入を検討されている方は是非とも使い込んで張り替えの感動を味わって欲しいと思います。
ハタケヤマのキャッチャーミットの捕球面の張り替え
ハタケヤマさんを代表とする「芯材がしっかりしててまったくへたれてない」キャッチャーミット。
ようやく自分の形ができたのに捕球面のやぶれがひどい。
スピンの効いた強いボールを投げる投手がいればいるほどミットの痛みは早くなりますよね。
そんな芯材が「自分の型」に出来上がったのに捕球面が破れた、やるせないミットをお持ちなら是非とも、「ミットの捕球面の張り替え」をオススメします。
【張替え前】
【張替え後】
自分の形に育てた芯材+新しい捕球面の組み合わせ。
ハタケヤマなら2万円くらいでお受けしてます。
ハタケヤマのキャッチャーミットは捕球面を張り替えてその真価がわかります。
芯材を自分ごのみの形につくった大事なミット。
捕球面張り替えで自分の育てたミットの素晴らしさを体感してください。
その他のキャッチャーミットの修理も対応いたします。

キャッチャーミットの破れ修理(皮革を当てた部分に紐を通す穴を開ける)
グラブ修理【キャッチャーミット編】

キャッチャーミットのミット先の解れ補修と捕球面の破れの縫い修理
通常は1週間から10日くらい納期