グラブの縫い修理の工程についてご説明いたします。
お預かりしたのはミズノプロの硬式用のグラブです。
親指のところが破けてきておりますのでこの部分を修理したいと思います。
まずはグラブの革ひもをほどき、中の心材を抜いてミシンで縫う準備をします。
オレンジのグラブを縫うので、あて革はオレンジ色の革を用意します。
縫い糸はケブラー糸という、硬式ボールの練習球でも使用される耐久性のある糸を使用します。
グラブの裏側に革をあて、ケブラー糸でミシンをかけて修理していきます。
グラブの親指部分の縫い修理を終えると、グラブの紐を通しなおしてグラブを組み立てますが、その前にグラブ捕球面を確認するとアタッチメントグリスが経年劣化しスカスカでした。
捕球面に補充してあげて、捕球面と手入れ部分の革を接地してあげます。
縫い修理とグラブ内部のアタッチメントグリスの補充が完了したのでグラブを元の状態に戻します。
最終仕上げに入ります。
グラブオイルを少々塗りすぎのようです。
塗りすぎると見栄えはもちろん、グラブ自体も重く感じてしまいますのでこれを落としてきれいにしていきたいと思います。
今回使用するのは、ミズノプロのクレンジングローション 2ZG803(1200円+税)
ミズノプロのグラブにはミズノプロのレザーローションをということと、年季の入ったグラブなので、グラブ本体の色落ちのしにくいものをセレクトしました。

【ミズノプロ】グラブクレンジングローション:2ZG803
オイルがグラブにしっかりと浸透してくれるための下地に使うグラブローション
仕上げ時に使用するローションやオイルはお客様からの指定OKですので、よさそうだなと思うけど、お値段がなかなかするものは手を出しにくいものと思います。
自分で普段使用するオイルやローションなど買うかどうか検討中のものは、弊社での仕上げ具合をみて「いいもの」だと思っていただいてから購入するのも選択肢の一つだと思います。
全体的に汚れを落としてあげて、作業終了です。
黒いオイル汚れを落としてあげると、縫い込みに使用したオレンジの当て革の色に近いオレンジの色がよみがえりました。
工賃の明細です。
縫い修理箇所1か所:3,000円
グラブ仕上げ:300円
3,300円(税込)
となります。