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とりあえず「送りバント」は正解なのか?3回目

とりあえず「送りバント」は正解なのかを書き続けている時に、秋季高校野球新人戦大会の札幌支部予選が始まり、このテーマについて答えの一つを実践しているチームがあると感じました。
6代表のうちの1校で全道大会出場を決めた高校の攻撃が「とりあえず送りバント」をしていないなと感じました。

1回の裏に先頭打者がフォアボールで出塁しました。
2番打者が送りバントの構えをするも初球を見逃し、守備側の陣形を確認。
2塁手の1塁ベースへのカバーリングが早いと判断するや2球目にヒットエンドランを仕掛け1・2塁間へゴロを打ちました。
誰も守っていないところへ打球が転がっていき、ライト前ヒット。
2塁手がカバーリングではなく打球への意識があれば捕れたかもしれません。

初回の先頭打者出塁=初回だからとりあえず「送りバント」をするだろう、という予測の元に動いた相手の守備陣形を逆手にとった攻撃だったと感じました。

また、立ち上がりの制球に苦しむピッチャーのボールを安易に打たないところも見事でした。
制球難の投手はボールが先行します。
カウントが悪くなるとストライクが欲しいですから、甘いボールを投げがちになったり、そもそも狙って投げてストライクが入らないわけですからフォアボールを取りやすいわけです。

北海高校の野球がそうでしたが「ボール球を振らない」ということがチームの決め事として徹底されていることほど、相手チームのバッテリーにとって脅威なことはないなと今夏しみじみと感じました。
この試合の序盤でそれをみてあらためて「ボール球に手を出さない技術」のすごさを感じました。

それと、最近多いなと感じるのは、1アウト1・3塁のケースで内野ゴロでダブルプレーを取れるケースがあるので、

①1塁ランナーが2塁へ盗塁をするまでの1・3塁のうちは中間守備をとり
②1塁ランナーが2塁への盗塁時、Wスチールを警戒し、1塁ランナーが盗塁しキャッチャーが2塁へと送球したボールを2塁手が投手と2塁ベースの間でカット
③1アウト2・3塁になったところで前進守備をとるというケースが多く

守っている選手も「どうせ2・3塁にするんでしょ?」と言わんばかりに8割以上のケースで決まり事のように2塁手がキャッチャーの送球をカットします。
3塁ランナーも「どうせ1塁ランナーの盗塁を阻止しに行ってないんでしょ?」と言わんばかりに、ホームベースへ進塁するそぶりもしません。

こういう雰囲気を逆手にとって、1アウト1・3塁のケースで1塁ランナーのみのヒットエンドランを敢行し、1・2塁間もしくは三遊間に転がされても2塁手も遊撃手も定位置にいないのでこれもヒットとなってしまうわけです。

「高校野球のセオリー」というものを重視し、「ここはこうだろう」とか「このケースでこれはないだろう」という決まり事を重視するチームがあればそれを「逆手にとる」チームも当然あるわけです。

「守備シフト」や「攻撃の作戦」というのは相手にははっきりとわからないからこそ成功率が上がるものであって、次に何をするかがわかってしまっていては成功率は下がってしまいます。


結論

「相手の状況をみて作戦を立てる」

想定通りにいくことはほとんどないと思いますが、試合前に相手チームがどんなチームなのかを想定し、ゲーム中は相手の動きをみて対応するだろうと対戦相手が考えてると思っていれば、「とりあえず送りバント」という作戦は「なし」だと思います。

1・3塁のWスチールも80年代後半、西武ライオンズの黄金期にライオンズが作戦として多用し流行りました。
極端なバントシフトやピックオフプレー、セフティースクイズというのも先駆者がいたはずです。
考案された当初は「意表を突くプレー」でしたから成功しやすい作戦だったと思いますが、野球の作戦に長けた方であればどなたでもご存知の作戦となってます。

「孫子の兵法」の中に「背水の陣」というものがございます。
故事にもなっているものです。
(「故事の背水の陣の意味」と「孫子の兵法に書かれている背水の陣」は意味が違います)
孫子の時代に誰も「背水の陣」の真の意味を知らなかったから成功したわけですが、「背水の陣」の意味を知っている相手に「背水の陣」を用いても上手くいかないと思いませんか?(了)
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